漆器は英語で「japan」と呼ばれるように、日本を代表する工芸品として知られています。漆器は色使い、歴史、美しさ、日本らしさから海外の方への贈答品として喜ばれます。そのこともあり「海外の大切なお客様へのお土産」として、また「法人様の記念品」として扱われることが多いです。しかし、海外へ贈答する際に気をつけなければならないことがあります。そのことについて書いていきます。

こちらのページでは、

海外へ漆器を贈る前に知ってほしい「5つのコト」
海外のお客様に伝えて欲しい「漆のはなし
海外で喜ばれる「海外向け漆器の選び方」

を、ご紹介いたしますのでご一覧下さい。

 

 

ワレに注意!漆器をプレゼントする前に知るべき5つのコト

漆器を海外に持っていったら割れてしまったという話を聞かれたことはありませんか?

輪島塗ぬり工房 楽では、漆職人の技術を活かして漆器の修理を長年承って参りました。
修理依頼の中には、海外に渡った漆器が日本の温度や湿度との違いにより「ひび割れ」をおこした例が多数ございます。
海外でおきがちな漆器の様々なトラブルと注意すべき点、また解決策についてお伝えしたいと思います。

折角の贈り物が割れてしまっては大切なお客様への思いが台無しになるだけではなく、逆に気を使わせてしまいかねません。またニ流品を渡されたと憤慨される事もあるかも知れません。
外国人や海外に住む日本人へ漆器をプレゼントするときに注意すべき5つのコト、 またその解決策をご提案いたします。

 

①乾燥によるヒビ割れ

一般的に漆器とは木製の木地に漆を塗った器のことを言いますが、木製の素地は漆が塗られた後でも乾燥による歪みが生じ、外側の漆面が割れることがあります。保存の際には、高所の戸棚よりも床に近いスペースを確保し、直接空調の風が当たらない様にするなどの配慮が必要です。

②食洗器・電子レンジは使用はご遠慮下さい。

海外では食器洗浄機や電子レンジが多用されますが、食洗器の高温洗浄や洗剤の種類により漆の劣化を早めたり、傷になることがございます。また電子レンジは、漆器の木製素地の組織や塗り重ねた漆の層の間にある空気が膨張して破裂する危険があります。海外でも大切なガラス製品等は手洗いされることが多いので、職人の手作りである事や漆器の特性を伝え「漆器は手洗いして下さい」とメッセージを添えてお渡ししましょう。

③金属製カトラリーのご使用はご遠慮下さい。

柔らかい漆の塗り面に金属製のナイフやフォークがあたると傷がついてしまいます。最近では外国人の方でもお箸を上手にお使いになる方が増えていると感じますし、日本文化を愛して下さるお客様の中には、日本人と見まがうほどの作法を身に付けている方も多くいらっしゃいます。「金属製のナイフ・フォーク・スプーン等のご使用はお控えください」とメッセージを添えましょう。

④日々のお手入れ

日常使いにご愛用頂く際には、ガラス製品に倣ってお手入れされることをおすすめしています。使用後は柔らかいスポンジと食器洗剤で洗い、ぬるま湯又は水でゆすいで柔らかい布で水気を拭きとってください。新品の瑞々しい漆の艶が、経年でこっくりとした艶の漆器に育つのも漆器を使う楽しみであることをお伝えして下さい。

⑤使うー傷むー直す

天然素材100%のハンドメイドである漆器は「使うー傷むー直す」ことで、代々受け継がれ使い続けることできます。ヨーロッパでも銅製の鍋など、おばあちゃんが使っていたものを受け継ぎ、修理して使い続ける文化は継承されています。漆器も傷んだら直せることをお伝え下さい。

 

 

海外向け漆器贈答品の選び方

①乾燥してる海外でも割れない漆器

②食洗器・電子レンジを使用しない漆器

③金属製カトラリーを使用しない漆器

④日々のお手入れの方法がわかる漆器

⑤「使うー傷むー直す」ことができる漆器

 

「輪島塗ぬり工房 楽」おすすめの海外向け漆器贈答品

 

 

「練乾漆®」のうつわとインテリア作品の特徴

①自由度の高い造形
②乾燥で変形しない麻布の素地
③輪島地の粉下地の堅牢さ

軽くて丈夫な「練乾漆®」の作品は、海外向け漆器贈答品としてお薦めできる漆器です。

 

❶「KOKEMUSU®」の茶道具やカップ・酒器揃え

「練乾漆®」のゴツゴツとした下地の造形と「KOKEMUSU®」の苔むすように緑色が深くなるサプライズの変わり塗を楽しむ漆器。

・The Wonder 500 (経済産業省)認定
・国際漆展 入選
・石川県デザイン展 入選
・いしかわブランド 認定

 

❷「伽羅塗(きゃらぬり)」のセミオーダーメイドシリーズ

表面の漆を通して透けて見える銀箔の禾目(のぎめ)模様が特徴となっており
お好みのアイテムにカスタムすることができます。

 

・国際漆展・石川2020 入選

 

❸輪島塗本堅地×金箔のアートパネル

海外にインテリア作品を贈る時にご注意いただきたいのは

  • サイズ
  • 技法
  • 素地の素材 です。

 

❹「練乾漆®」×銅カップのLaQue urushiboシリーズ

・伝統的工芸品産業支援事業 採択

いずれの作品も「Reborn Ticket」をお付けして品質保証しています。

 

 

海外のお客様に伝えてほしい「漆のはなし」

漆は漆の木の樹液であり、キノコや山菜と同じ「特用林産物」に分類されることはあまり知られていません。森林や原野から得られる産物のうち一般木材を除いた産物と同じ分類となっています。つまり自然環境で生産される産物なので画一的ではないのです。漆の特徴とその日の気温と湿度を見極め、漆器を制作するのが塗師(ぬし)の仕事です。

 

漆が漆器になるまで
  • 漆の木は苗木を植えてから約10年間、直径15~20cmになるまで育てられ、「漆搔き」と呼ばれる方法で漆の木の皮に傷をつけ、しみ出した樹液を採取します。
    採取した樹液には不純物が混じっており「あらみ」と呼ばれます。
  • この「あらみ」の不純物を取り除き、ろ過したものが「生漆」(きうるし)です。
    生漆を「なやし」「くろめ」という2つの工程で用途や品質に合わせて油分や鉄分などを加えて精製します。
  • 精製時に鉄分を加えると漆の成分であるウルシオール等の化学反応で黒漆(くろうるし)となり、鉄分を加えないと色の薄い透漆(すきうるし)となります。
  • 色漆(いろうるし)は、透漆に朱色(辰砂)などの顔料を練り合わせて作ります。
  • こうして精製された漆を、塗師が素地となる木・竹・紙・布などに塗り重ねて漆器が出来上がります。
  • 漆器は購入したお客様の手元でも成長を続け適切な取り扱いにより ≪こっくり≫ とした「使い艶」の美しい漆器に育ちます。漆は人の手によって成長を続ける魅力的な天然素材です。

 

塗師(ぬし)の仕事

塗師はその日の朝の温度・湿度を体感と経験から判断し、その日に塗る漆がしっかり硬化するように調合して仕事にかかります。塗った漆の乾燥は、洗濯物を乾かす様な方法とは違い、漆に含まれる酵素「ラッカーゼ」が温度20~25度・湿度75~85%で活性化し空気中の酸素と反応することで液体から個体へ変化します。塗師は漆が平滑に乾くように漆を塗った漆器を「しめ風呂」の中で約10日間管理し硬化するまで細やかに世話をします。管理が行き届かないと「いつもでも乾かない」反対に「早く乾きすぎてちぢむ」などの問題がおこります。

1日の中でも温度・湿度が急激に変化することも少なくなく、常に様子を伺いながらしめ風呂の温度・湿度を調節しますが、塗った漆の層が部分的に厚いとその部分がちぢんでしまい工程を戻して塗替えになることもあります。塗師の修行時代には「厚なし薄なしに塗れ」と親方から教えられ、失敗を繰り返すなかで技術を習得します。

 

 

海外の大切なお客様へ贈る漆器をご提案いたします

輪島塗ぬり工房 楽では、日本を代表する漆工芸品を海外の大切な方に贈る習慣をご提案しています。海外環境に耐性のあるオリジナル漆器・オーダーメイドのインテリア等もお日にちに余裕をもってご相談頂けば、ご予算にあうご提案をさせて頂きます。日本を代表する企業様からも注目されている「練乾漆®」技法のオリジナル漆器で世界と日本をツナグお手伝いをさせて頂きます。

 

 

海外に日本の漆文化を伝える取り組みをしています

輪島塗ぬり工房 楽では、2014年から海外に日本の漆文化を伝える取組みをしています。
残念ながら国内でも漆器を日常使いされることは少なくなり「取り扱い方法がわからない」「傷むともったいないので使えない」というお声をよくお聞きいたしますが、一方海外では日本文化や工芸品への造詣が深いお客様とお会いする機会が多くあります。

フランス展示会での記念写真ですが、作品をご覧いただき、その場で展示POP全文を子どもたちに読み聞かせたお母さん。
≪日本の手仕事への敬意≫と≪子どもたちに伝えたい≫というお母さんの行動に感動した時の1枚です。

ワークショップでも専門的なご質問をいただき、答えに詰まる場面もございました。
日本人の私たち自身が、≪日本文化を学びなおす時代≫ がきています。
海外への贈り物を選ぶ機会が、ご自身も漆器を使う機会となることを願っています。
使って傷んだ漆器の修理は、輪島塗ぬり工房 楽が承ります。
ご自身の漆器体験談とともにお贈りいただく事が一番のメッセージとなります。

輪島塗ぬり工房 楽では、お取扱い時の注意を記載したカードをご用意いたしますので漆器の取り扱いに不慣れな海外のお客様にも安心してお贈りいただけます。

 

 

「練乾漆®」は、海外でも使える漆器です。

オリジナル技法「練乾漆®」の作品は海外環境や空調による乾燥に耐性のある漆器です。
乾燥と紫外線に弱い漆の特性ゆえに海外への贈り物としては敬遠されがちな漆器ですが「練乾漆®︎」は、麻布を素地に独自の漆の配合と乾燥工程でひとつひとつ手作りしています。
従来の輪島塗にはない自由度と風合いで茶人の間で評判となり、香合、水指、抹茶椀などの茶道具を制作してまいりました。

漆器は漆を薄く幾重にも塗り重ねて制作いたします。
これは厚く塗ると乾燥工程で表面だけが乾き、ひび割れをおこすことに起因しています。
「練乾漆®」の下地漆は厚く盛って造形してもひび割れない「漆の調合」と「乾燥工程」にノウハウがあり2012年に独自技法として商標登録しています。

また、麻布を素地にすることで乾燥による木地の歪みがおこらず塗面が割れることはありません。
下地工程の漆には「輪島地の粉」を練り込み輪島塗の堅牢さを継承しています。

画像のような茶道具・香合のリアルな造形は輪島塗の伝統技法を継承する当工房の職人の確かな漆工技術と遊び心からうまれた「練乾漆®」を活用して制作しています。

 

 

お問合せ方法

お申込みは下記のいずれかの方法でお申し込みください。

 

❶ LINEでのお申込み・問い合わせ

スマホでこちら⇩をクリックしてお友だち登録をして下さい。
いつものLINEの操作でメッセージや写真が送れます。
確認後、こちらからご連絡いたします。

お問い合わせの方は、「海外向け問合せ」とご記入下さい。

お申し込みの方は、①どのようなお品物を贈りたいか②ご予算③納期などございましたらをご記入お願いいたします。

贈りたいお品物の画像やイメージがございましたらお送りください。

 

❷ お電話でのお問い合わせやお申込みは、私の携帯電話(090-8261-0578)にお電話下さい。

 

❸メールでのお問い合わせやお申し込み

info@raku-wajima.com までお願いいたします。

お問い合わせの方は、「海外向け問合せ希望」とご記入下さい。

お申し込みの方は、①どんなお品物を贈りたいか②ご予算③納期などございましたらをご記入お願いいたします。

贈りたいものの画像やイメージがございましたら画像を添付して下さい。

 

職人2人の小さな工房ですので、ひと月に制作できる数に制限がございます。

納期は通常4カ月頂いております。
お時間に制限がございますとお客様のご希望を叶えることが難しい場合がございます。

短期間の制作ご依頼については、割増料金となる場合がございますので
お急ぎの場合にはできるだけお早めにご相談下さい。

ご相談、お見積りは無料です。
お問い合わせ内容により有料になる時にはご了解の上ですすめます。

 

お問い合わせはこちらからお気軽にどうぞ。

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    ▼お問合せ概要・修理のご依頼は由縁などわかる範囲でご記入下さい(継承品か購入品か、購入時期、購入場所、購入価格、セットか単品か、現状とどう直したいか、ご予算など)

    ▼必要に応じてご依頼品の写真を添付して下さい。写真の分類は目安です。

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    担当は引持玉緒(ひきもちたまを)です

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